断捨離と私 nobi’s-diary

断捨離はじめました。

暗黒面は手強い

まずは着ない服からだ。

これは簡単。何たって私の引き出しは良く分類されている。着ない服の段からそのままゴミ袋に詰め始めた。ゴミ袋は見る見るうちに一杯になる。口をキュッと縛り廊下に置く。

 

次は、あまり着ない服の段。

1着1着確認作業が必要だった。「これは着るかな」「これはいつ着るのよ」「これはもう着れないし」などなど。時間はかかるが、それでもゴミ袋に詰める手を止めない。

 

とこらが、引き出し半分ぐらい進んだところで心がすさみ始めた。

頭が空っぽになって、ため息が止まらない。もうやけになってる。

「全部捨てちゃえばいいんでしょ!?断捨離なんて結局、全部捨てて次のを買わせるために上手い事言ってるだけでしょ!?」

心がすさむ。

暗黒面が手招きする。

ダン、ダン、ダン、ダーダダン、ダーダダン
ダン、ダン、ダン、ダーダダン、ダーダダン

でも辛うじて残ってた理性が「全部捨てたら明日から着るものないよ」と引き止める。確かにそうだけど。

「むーーーやめたっ!」

それからダラダラ本を読んだりネットサーフィンしたり、iPhoneと戯れることに時間を費やした。



(断捨離むりかも)
(もう出来ないかも)

心の中で呟いた。

 

そのうちたまたま見つけた断捨離関連のいろんな人のブログを読んだ。

読み漁った。

そして憧れた。

顔を上げて周りを見渡してみると、なんと荷物の多いこと!

私も持たない暮らしをしたい。スーツケースひとつで何処へでも行ける身軽さを手に入れたい。そう思って始めたんだった。

「よし、やろう!」

再び立ち上がった。贅肉の無いクローゼットを思い描いてキラキラしていた。

 

そこからは早かった。

いつも手に取っては戻すを繰り返すデニムシャツからだ。数年前に買って気に入ってるのだけど、この色実は似合わなくないか?って感じてからは全く着ていない。けれど気に入って買った分愛着があり勿体無いから捨てられずにいた。

「大好きだけどサヨナラ、私変わりたいの」なんて軽く涙を浮かべながらゴミ袋に入れる。それに続けとドンドンゴミ袋に投げ入れていく。色違いで揃えたTシャツ、いつ買ったのか忘れたニット、サイズが合わないスカート。

ヨレヨレになった靴下や下着を選別した時なんかは物凄い爽快感だった。生き残った猛者たちが引き出しの中でコロコロ転がってしまうほどガラ空きになった。

「た、楽しい♡」

 

次は部屋着の引き出しを開けて、ヨレてたり毛玉のひどい物をゴミ袋へ。ひとつ処分を決めるとその分心が軽くなる気がして夢中になる。

 

汗をかいた。

普段なるべく動かない生活をしている私には断捨離はスポーツとも言える。チョット離れてコーヒーブレイクにしよう。身体を動かし汗をかいた後のコーヒーはいつもより何倍も美味しい。

「結構頑張ったなぁ」

ニヤニヤしながら遠巻きにクローゼットを眺める。あれ?あんなにたくさん捨てたつもりだったのに服はまだびっしりバーに掛かっているではないか。

ミニマリスト達がブログに載せている写真を思い出す。「服は10着もあれば事足りる」などという文面に焦りを覚えたけど、読み進むと1シーズン10着ほどだとわかってホッとしたんだった。

「それならなんとかなるわ」
「1年なら40着?少なくなくない?」
「そういえばミニマリストはブログはミニマムじゃないな、なんか文章も長いし写真も多い」

失礼にも毒づきながら作業に戻る。

 

廊下にはいらない服でパンパンになったゴミ袋が3個。4袋目に突入した頃、それは突然やってきた。

強烈な「何やってんだ私」感。

これを虚無感と言うのかな?ゴミ袋の山を見て、急に虚しくなったのだ。

『今まで物を集めてきた人生は無駄だった』
『何のために生きているんだ』
『何故身を切る思いをしてまでこんな事をしなくてはいけないのか』
『断捨離なんかして何になる?』
『バカバカしい』
『それならいっそ火をつけて燃やしてしまえば良いじゃないか!』
『全部燃えてなくなったらチョー身軽じゃん!!』

ダン、ダン、ダン、ダーダダン、ダーダダン

再び心がすさんだ。

暗黒面に堕ちていきそう。

そしてまたすんでの所で理性が働いて持ちこたえた。持っていたゴミ袋を床へ放り、相変わらず服の山になってるベッドの平らなところに寝転ぶ。

「もうやだ!めんどくさい!何もかも無駄!もう知らない!」

私は逃げ出した。

 

しばらく横になったままダラダラとiPhoneをいじり寝返りを打つ。

頭の隅っこでゴミ袋の山がアピールを始めた。

「どうしようかなぁ」

ゴミ袋から戻すのは簡単。昨日までと同じようにきっちり並べて収納するだけだ。

だけど・・・。

一度捨てようとゴミ扱いした服をまた愛せるのか?勿体無いからと後生大事に収納しつづけるのか?

 

***

 

寒くてブルっと震え目が覚めた。グダグダ考えてるうちに眠ってしまったようだ。何も掛けずに眠ったものだからすっかり身体が冷えてしまった。冷たい身体を温めようとコーヒーを淹れる。

熱々のコーヒーをすすっていると閃いた。

「新しいのを買ったら良いんじゃないの?」

着ない服は処分して代わりの服を買う、なんと素晴らしいアイディアが浮かんだものだと自分を褒めた。欲しいものを探す、新しいものを買う、ショッピングの楽しさを思い出した。お店の陳列棚に並ぶキラキラした商品達を想像しキラキラした笑顔を浮かべる。

「そうだそうだまずはこないだ見たブラウス買おっかなぁ♡あれ可愛かったんだよな♡」

ショッピングの魔法で一気に心が舞い上がる。

(あれ買ってぇ、これ買ってぇ、あのニットも欲しいしぃ・・・)

 

チョット待て!ミニマリストとは正反対の方向を向いてませんか私?

「でもあのミニマリストさんは、何か買う時は捨てれる物があるか考えるっていってたもの、私には捨てれるものをいっぱいあるわよ♡」

・・・。

それはミニマムな生活をしてる人の話。

もともといらないものをいっぱい溜め込んでる私が捨てる分買うとなると、恐ろしい未来しか待ってない。また着ない服が出てくるし、そもそもお金がいくらあっても足りない。

流行を追っても似合わない年齢になってきてるし、思い切って流行を追わず似合う服を持つ生活にシフトしたかったんじゃなかったっけ?それで断捨離を始めたんじゃなかったっけ?落ち着け私!

ああそうだった。

ショッピングの魔法でキラキラと浮かび上がった気持ちがまた沈んだ。

再び暗黒面に傾いたらもう戻れる気がしない。

 

「ほ、本、読んでみよっかな」

そう、私は断捨離関連のブログは読み漁ったが、本は読んでいなかった。すぐさまAmazonKindleストアで断捨離を検索した。

 

なんにせよショッピングは楽しい。